法人設立のメリット
法人設立のメリットは簡単に言えば、次のとおりです。
1)営業上の信用度・企業イメージが良い
事業を組織化して経営を行なっている、ように表面上みえるので、対外的なイメージがいい!ということが言えます。
大企業との取引を見込んだり、幅広い事業展開をお考えならこの要素は重要なので、最初から法人を設立した方が良いでしょう。
2)現金管理・経理等の明確化で、戦略的な経営管理が可能となる
(経営者)個人と会社をはっきりと区別するので、経営内容が明確になり、経営成績や財務状態を把握しやすく、計画がたてやすい、ということも実は大きいのです。
個人の場合、事業のお金と個人のお金が混同しやすく、どこまでを事業の必要経費とすればよいかの判断がわかりにくくなるかもしれません。(事業関連性の定義と適時適正な帳簿処理によって、ある程度解決できますが・・)
3)節税上のメリットがあるんです
a)法人には、社長個人とは別個の人格が与えられていますので、社長個人と法人との間での取引が成り立ちます。
つまり、社長の働きの対価として、合理的に設定した役員報酬を毎月定額で受け取る(法人の経費)ことになり、給与所得控除の適用があることで、節税を図ることができるのです。
個人の場合は、事業主個人の労働対価と事業利益が合算されてしまい、給与所得控除の適用がありません。
ただし、平成18年改正にて、法人でも、個人事業形態と実質的に変わらない「特殊支配同族会社」の場合は、社長が高額な役員報酬を計上しているケースに限り、その役員報酬に係る給与所得控除を認めないという規定ができましたので要注意です。
b)2)で述べた主旨とダブルところもありますが、お金を使う主体が営利目的の法人である以上、その支出は紛れもなく法人の経費、ということになるため、戦略的なタックスプランニング(節税対策)を施すことが可能だったりします。<保険利用など・・>
例えば、個人形態においては、本人や家族を被保険者とした生命保険の掛金を必要経費にすることはできません。
4)経営上の赤字の繰越控除においても法人が有利
赤字の金額は、青色法人の場合、翌事業年度以後7年間の黒字から引くことが出来るのに対して、個人(青色申告者)は、翌年以後3年間の黒字からしか引くことができません。
★But・・・
いいことばかりではありません。
法人設立のデメリット
- 設立費用がかかる(株式会社で22万位から45万円位)
~合同会社ならもっと安いです。~ - 社会保険の加入をいずれ考えていかなければならない
- 交際費課税がある
- 経理事務・税務申告について個人に比べると少し大変
- 資本金一千万以上ですと、いきなり設立事業年度から消費税課税事業者となってしまいます。
(「個人」及び「一千万未満資本金法人」は3年目から・・ですから二期は少なくとも消費税を納めなくても良いのです。)
★法人にするメリット・デメリットを天秤にかけて、設立の検討をしてください。
★メリット・デメリットがはっきりしない、(どちらでもいい)のなら、消費税の免税期間を最大化にする意味で、まずは個人形態で少なくとも二年間、その後法人にする、というのもひとつの手だと思います。 <通算4年間>