クラウドファンディング
新興企業向け資金調達の選択肢として、クラウドファンディングが注目されました。政府も金融審議会等で検討課題とし、事業資金の調達手法の一つとして規制のあり方の議論に入ったもようです。
クラウドファンディングは、ネットを通じて幅広く個人等の投資家が数千円から参加できる小口投資として普及を始めています。資金を提供する側の目的としては
- 事業者への純粋な寄付
- 一定のサービスや商品を事業者から対価として享受する
- 一定の投資リターンを求める
といったパターンがありますが、3.に関しては規制が多く参入障壁が高いです。しかし今後は、クラウドファンディング型株式投資が可能になるような方策を検討し始めています。現在、この資金調達方策に近いものとして実績をあげているのが、日本で始めて「匿名組合」方式を利用して小口資金をネットで回収する仕組みを作ったミュージックセキュリティでしょう。会員と登録している小口投資家は約6万人、資金調達総額は約35億円、匿名組合として立ち上げたファンド数が187本(うち72本が償還済みで出資元本を下回ったファンドは13本)に達しています。事業者の属性は食品・飲食店、酒造関係、農業、アパレル、IT関係・・と裾野が拡がってきました。こうしたネットを介したマイクロ投資手法を、地域金融機関及び税理士事務所等の認定支援機関が連携して事業者の開拓を進めていき、官民ファンドの資金も融合すれば、ユニークな創業支援がスピードアップすると思います。