コスト削減

コスト削減

<平成21年執筆>

原材料高騰、金融危機、円高等に端を発した景況感の悪化が中小企業の経営環境に暗い影を落としています。

こんな時期はなんとか耐え抜かなければなりません。

こういう時期だから、あえて打ってでようという経営判断もあるとは思いますが、ほとんどの方は損益分岐点(収支分岐点)売上確保の一手段として、固定費をさげる方向性をとらざるを得ない、というのが本音だと思います。

そこで、コスト削減についてまとめてみました。

■コスト削減の考え方

◎「3つの区分」と「2つの視点」

◎経費見直し表の作成

◎コスト削減における意識の問題

■コスト削減実践アイディア集

◎保険の見直し

◎宅配便・通信費の節約

◎印紙税で損をしないために

◎銀行手数料の節約

◎電気代の節約(電気料金のしくみ)

◎中古品でも充分(節税効果も)

経費の種類を「3つに区分」して「2つの視点」を持ってコスト削減に取り組みましょう

経費削減と言っても、ただ闇雲にさげるというのでは効果がないばかりか、場合によっては弊害が生じる可能性があるので注意が必要です。

というのも、「人件費を一律20%カットしよう!」とか、毎日毎日「君たち、ガソリン代や高速代を使うなよ」「ホームページなんかやめてしまえ」「何ー!そんな集まりに参加したって会費がかかるんだろ?いかなくていいよ」などとやったらどうなります?

間違いなく経費の削減幅以上の売上ダウンに見舞われることでしょう。

経費の中味・意味合いを改めてよく考え告知し、削減を計画的に行なうことで士気の低下(マイナス思考)に歯止めをかけること、そして売上対策を同時にすすめることが必要です。

それでは'計画的に'というところを具体的に申し上げます。

 

  1. まず経費を「3つの区分」に分けてください。
    1. 今日の利益(お金)を手にするための経費
    2. 未来の利益(お金)を手にするための経費
    3. 会社を維持管理するための経費

    何故、3つに区分するのか?
    削減の優先順位をつけるためです。
    1.と2.は、利益(お金)を獲得するために必要だと思って支出している、いわゆる政策費(ポリシーコスト)だから、できれば削減したくないですね。
    ただ、削減しなければならない状況の程度によっては、とりあえず未来の利益獲得経費(2.)は控えておくしかない(今日の利益獲得は放棄するわけにいかない)こともあるでしょう。
    いずれにしても、真っ先に削減対象にするのは3.の会社維持管理費用ということになります。
    つまり削減の優先順位は3.→2.→1.と序列をつけてください。
     
  2. 次に少しひいたところから「2つの視点」を加えてください。それは光と影。
    1. 光 (客観的に考えて効いていると思える経費)・・・ピンクマーカー
    2. 影 (客観的に考えてあまり効果がないかもしれない経費)・・・イエローマーカー
    難しいことですが、できるだけ他人になって色分けしてください。
     
  3. 結論
    イエローマーカーのついた経費につき優先順位をつけて、削減する手段・行動・指示を検討しましょう。

 

経費見直し表の作成

自社においてかかっている経費の内容を改めて把握する意味で、下記のような「経費見直し表」を作成してみましょう。

そして、この表に前述しました「3つの区分」の番号をふるとともに「2つの視点」に基づいてマーカーによる色分けをしてください。

コスト削減における'意識の問題'

アナログ的と言いますか、精神論的なことを申し上げるようですが、コスト削減等お金のことって「気持ち」 「意識」の問題が実に大きいと多くの社長さんを見てきてそう思います。

トップ自らが「お金を残す」ことを殊更意識しなければなかなかお金の流れは止まりません。

その為には・・・・

■お金に色をつけて考えましょう。(どんぶり勘定からの脱却)

■キャッシュポジション(常に手元に置いておく現預金残高)にこだわりましょう。

正味運転資金との関係なので、業種やその会社の入金出金サイトによりますが、大雑把に言えば月商1ヶ月~2ヶ月分くらいだろうか。

■削減目標に期限をもうけましょう。

未来を見据えた行動(投資)は必要だが、優先順位の中でストップせざるを得ないならば、いつまでかをはっきりと気持  ちに刻み込まなければならない。すなわち経営計画(売上対策)との連動がどうしたって前提となる。

■経営計画の一部としてコスト削減を掲げたら、社員に対して率直にその必要性を話して理解を  求めること(お願いすること) に時間を費やしてください。

■社員にお願いする以上、社長がご自身に対する自己牽制を強める工夫をしてみましょう。

社長自身がお金を使う最大の意思決定権者であるので、人一倍コスト削減意識を忘れないように

  ・手帳に書いて常に確認するようにする

  ・社長の机のまわりや自宅に経費削減目標を貼る

  ・定期的に通帳残高を確認する(単純だが意識堅持に意外と効果あるらしい)

 という行動をしてみましょう

■計画的なコスト削減目標の前提はリアルタイムに行なう正しい現状把握です。

経費精算を定期的に行なう内部体制、それをためないできちんと記録チェックする経理体制が必要であることは言うまでもありません。

コスト削減 実践アイディア集

2つに区分けすることができると思います。

  1. 経費の絶対額を削減するアイディア
  2. 費用対効果を高めて実質的なコス削減を図るアイディア

 

以下に並べてみましょう。

 

保険の見直し

<当事務所の外部スタッフが 現在執筆中>

会社でかけている生命保険保障額を、将来にわたって一定のものに加入しているのであれば、これを逓減定期保険に切り替える。

借入金返済と連動する考え方をとりいれるわけだ。

 

宅配便・通信費の節約

●250EXPRESSの活用

250EXPRESSとは・・・・

専用封筒をあらかじめ購入(前払い)し、必要な時にその専用封筒を使用して送る宅配便サービスです。専用封筒に入るものならば重量制限なしで送れます。

事前購入額は、配送料込みの専用封筒を1セット(40回分)で10,500円。

つまり1回分は262.5円です。・・・他と比較すると半額相当・・・

ゆうぱっくや宅急便が、1個600円前後の送料で、郵便局のEXPACK(エクスパック)が500円ですから、どれと比べても250EXPRESSはお得です。

配達状況も確認できるので、専用封筒に収まるものを送るのであれば、現在利用しているサービスから乗り換えるのが、得策です。

(コストダウン金額例)

毎月10通の書類を配達している場合

EXPACK500利用時  : 500円×10通×12=60,000円
250EXPRESS利用時 : 262.5円×10通×12=31,500円

年コストダウン額は、約2万8千円です。

注意:ただし・・・

エリア外の場合は、サービスが受けられません。

250EXPRESSは、大変お得ですが、現在は集荷エリア・配達エリア共に限定されています。事前によくご確認の上、申し込んで下さい。

●クロネコメール便

クロネコメール便とは、ヤマト運輸が行っている郵便ポストへ配達するサービスです。運賃は、A4サイズを全国一律80円(重量により、変動)から利用できますので、料金部分では定型外の郵便より安く発送できます。配達完了の確認もホームページからできますので、郵便局より便利です。

(コストダウン金額としてはわずかですが・・)

以前からの習慣でなんでも宅急便で送っていた方は早急に利用するようにしましょう。

宅配代は、1個6百円前後です。お届け先の受領印が不要で、かつ規定のサイズに収まるもの(雑誌・カタログなど)であれば、クロネコメール便で発送することで、さらにコストダウンが、実現できます。
毎日一定の個数の発送がある会社の場合は、毎日集荷に来て貰うことにより、業務の効率が図れますので、さらにコストダウンになります。

注意:ただし・・・相手に確実に届けるには、不向き

クロネコメール便は、受領印不要のサービスであり、ポストへの投函をもって配達完了となります。手渡しで確実に届けたい場合は、ご利用しないほうがよいと思います。

ちなみに、その場合は「配達証明付郵便」を利用するのがよいでしょう。

 

印紙税で損をしないために

(1)領収書や契約書に貼る印紙は「消費税を明記することによって節約」

領収書や契約書に貼る印紙は、その領収する金額により、貼付する金額が段階的に定められています。

従って、領収金額(印紙税の対象金額)が小さくなれば段階的に印紙も安くなります。

領収書に消費税額を明確に記してある場合は、印紙税の対象金額は「税抜き部分のみ」となりますので、わずかではありますがその対象金額を小さくすることができます。

つまり、税額は段階的に定められているので、領収金額から消費税を抜けば一段階下におちる可能性があるのです。

領収書に貼る印紙を意識して消費税を明記しましょう。

<例>
金銭の領収書に、「商品代金4,900.000円、消費税額等245,000円、合計5,145,000円」と記載した場合、消費税額等の245,000円は記載金額に含めないため、記載金額4,900,000円の第17号の1文書となります。このとき、記載金額は300万円超500万円以下で印紙税は一千円となります。
消費税額が記されておらず、「合計5,145,000円」とだけ記載した場合は、記載金額5,145,000円の文書となり、二千円の印紙税が課税されます。

この方法は、領収書以外にも「第1号文書(不動産の譲渡等に関する契約書)」と「第2号文書(請負に関する契約書)」にも適用できます。

(2)7号文書を利用

請負契約書の契約期間が3ヶ月を超えるものは、同時に「継続的取引の基本となる契約書(7号文書)」にも該当します。<7号文書の印紙税は1通につき4千円>

その契約書が、2号文書(請負に関する契約書・・金額に応じて段階的に印紙税が大きくなる)と7号文書の両方に該当する場合には、2号文書の印紙税が課税されます。

これによって、2号文書に該当してしまって4千円を超えるのなら、条件を満たして7号文書にすれば印紙税が節約できることになりましょう。

○契約の金額を「後日協議で決定する」と記載して、契約書に金額を記載しないようにする。

○2ヶ月以内の契約書では、前記1を行なったうえで、契約の更新の条項を入れておく。

この2点を施せば、その契約書は7号文書になるわけです。

注)ただし、印紙税を節約したばっかりに肝心の契約トラブルが発生した、(金額面で揉める等)では目も当てられません。あとで問題が起こらないよう万全の注意をする必要があります。

(3)契約書の一通をコピーにすれば?
契約書は、各契約当事者が1通ずつ所持するのが一般的ですが、これは「契約の当事者がそれぞれ相手方当事者等に対して成立した契約の内容を主張・証明するために作った」ということになり、それぞれ印紙税の課税対象になります。

場合により、契約当事者の一方が所持するものに正本または原本と表示し、他方が所持するものに写し、副本、謄本等と表示することがあります。しかし、写し、副本、謄本等と表示された文書であっても、次のような形態のものは契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかなため、印紙税の課税対象になります。

1.契約当事者の双方または一方の署名又は押印があるもの
2.正本等と相違ないこと、または写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの

ただし、契約書の正本をコピー機で複写しただけのものは、単なる写しにすぎないため課税対象とはなりません。

ですから、問題ないと判断できるならば片方はコピーでもっておく、というのも1つの手かもしれません。

(4)相殺した場合の領収書はその相殺部分は課税対象とならない。
第17号文書に掲げる「金銭または有価証券の受取書」とは、金銭又は有価証券の引渡しを受けた者が、その受領事実を証明するために作成してその引渡者に交付する証拠証書をいうものとされています。

一般に債権と債務を相殺した場合において、その事実を証明する方法として領収書を作成することがありますが、この領収書は、現実には金銭または有価証券の受領事実はないため、印紙税法上の受取書には該当しません。
しかし、相殺の事実を証明するために作成される領収書であってもその事実が文書上明らかでないときには、その領収書は文書上は金銭または有価証券の受領事実を証明しているとみられるため、印紙税法上の受取書に該当することになります。

なお、一部の金額については相殺とし、残りの金額を金銭等で受領したことの文書(いわゆる「一部相殺の領収証」)については、その区分が明確にできる限り、相殺した金額については受取金額には当たらないものとして取り扱われることになります。

従って、相殺金額ははっきりと明記しましょう。

(5)印紙税の還付

間違って貼り付けた印紙税は還付してもらえます。

手続きは、税務署に用意してある「印紙税過誤納確認申請書」に必要事項を記入して、間違って印紙を貼ってしまった文書を税務署に提出すれば、多少時間がかかりますが後日振り込まれます。

払いすぎた印紙は返してもらいましょう。

 

銀行手数料の節約

<新生銀行を利用>

新生銀行で預金を開設して個人向けのサービスPowerFlexを利用することで銀行手数料を節約できます。

全都市銀行や郵便局、アイワイバンク銀行など全国のATMで利用手数料「無料」
インターネットを利用した振込は、手数料「無料」

(新生銀行の総合口座 PowerFlexは預金残高等に応じて無料の回数が決められております。)

従って、それなりの残高を置いておくだけで手数料がタダになるというわけです。

~節約例~

例えば、年間に他行で時間外引出が10件、他行振込が30件あるとすると

他行で時間外引出し   210円×10件= 2,100円
他行振込          840円×30件=25,200円
                  年間節約合計 27,300円

ただしPowerFlexは、会社は利用できません。従って、社長個人名義のPowerFlex口座を通過勘定として利用することになります。

すなわち、会社の振込金額を全額社長のPowerFlex口座に振り込んでから、それぞれの振込金額を、その社長のPowerFlex口座にて会社名で相手に振り込む。

この方法で、会社からPowerFlex口座に振り込む時のたった1回の振込手数料(最大840円)で済むことになりコスト節約が実現します。

新生銀行の総合口座 PowerFlex

 

電気代の節約(電気料金のしくみ)

業種によっては、電気代等の水道光熱費負担がかなり重い、ということもあるでしょう。

ただ水道光熱費は事業活動を行なっていれば「かかるのは仕方がない」要素だし、支払額(金額)については「いかんともしがたい」ものだと・・・思いますね。

(せいぜい小まめにスィッチを切るとかの節約方法しかないと・・・)

しかしホームページで「電気代削減」とキーワード検索してみると「契約種別を変えたり、なんらかの装置をつけることによって電気代をさげることができる!」というページがいくつもでてくるではないですか?(ひいてみてください。)

たださっと読んでみても、電気の世界って結構難しく素人ではわかりにくいですよね。

そこでどれだけ読み込めるかわかりませんが、いろいろな記事を読んでみて、そして東京電力に聞いてみたりして素人なりに整理して「しくみ」だけでもまとめてみよう、それをお客様にお伝えしてみようかな?、ということで記事にしてみました。

●電気料金のしくみ

毎月お支払いしている電気料金。その電気料金の仕組みをご存知ですか?

電気料金は、契約の大きさによって決められる「基本料金」と使用電力によって計算される「電力量料金」の合計額に「消費税等相当額」が加算されたものです。
なお、電力量料金は燃料価格の変動に応じて、「燃料費調整額」を加算あるいは差し引いて計算します。
※また、「基本料金」は契約電力と力率によって算定します。

(力率とは)
難しいので一言で言うと、無駄なく電気を使う為に設備容量を大きくしていると、割引される制度です。
ということは力率割引がなく割り増しになっている方は、この部分の改善も電気代削減手段となりえる、ということで電力会社にその方法と可能性を聞いてみては?
※東京電力HPでの説明
電気をモーターなどの機器に使った場合、エネルギーの損失が生じ、実際に働いた電力(有効電力)は電圧と電流の積(皮相電力)より小さくなります。この比率のことを力率といいます。
力率が悪くなると供給設備をより大きくする必要が生じます。そこで、力率の改善をお勧めする意味で低圧電力の場合、力率85%を基準として、以下のように基本料金の割引、割増を行います。

力率の良いもの=90% 5%割引

基準=85% 基本料金 (割引も割増も無し)

力率の悪いもの=80% 5%割増
なお、まったく電気を使用しないその1月の力率は、85パーセントとみなします。

口座振替でお支払いのお客さまは、1月につき52.50円(税込)割引きます。
(なお、検針票等の料金内訳の基本料金および電力量料金は銭単位で計算していますが、表示は円単位としていますので、実際の計算内訳と異なる場合があります。)
※ 燃料費調整額:燃料費調整制度によって決まります。
※ まったく電気を使用しない場合の基本料金は、半額となります(定額電灯、従量電灯Aを除く)。

<例:業務用電力(大規模契約)>

[1か月料金]
基本料金→  料金単価 (税込) × 契約電力 × 力率割引
電力量料金→ 「夏季」または「その他季」の料金単価 (税込) × 使用電力量 ± 燃料費調整額 
合 計= 基本料金 + 電力量料金
 
※基本料金の契約電力とは、過去11ヶ月において最大の需要電力(デマンド値)となります。
その値は30分間隔で計測されています(デマンド値は30分の平均値)ので、細かく言うと「過去11ヶ月において30分計測のうちその平均値が最大需要電力の値」と言い換えられます。
つまり最大の使用量(ピーク)をもとに基本料が計算されてしまうのです。しかも、これは最大値を計測した翌月から適用になるので、たまったものではありません。
11ヶ月、それ以上の最大値がでないように我慢すればその次の最大値が適用になります。これをデマンドコントロールです。
このデマンドコントロールも電気代節約の一手段です。

●契約の種類

○小規模なお客様の基本的な契約態様

・従量電灯契約(いわゆるブレーカー契約)

{従量電灯B}一般にご家庭でお使いいただく契約です。
→お使いになる電気器具の内容や使い方に合わせて、10アンペア(A)、15A、20A、30A、40A、50A、60Aの中からご自由にお選びいただけます。
個人の家庭には、ブレーカーがついていると思いますが、電気機器の容量に応じて20アンペアとか30アンペアとか書いてある黒いブレーカーです。
これが100v供給で、一般家庭の電化製品はこの「従量電灯」という契約により電気を受電しています。

{従量電灯A}
→アパートの共用部分の廊下の照明などに適しており、契約は5アンペア(A)です。

{従量電灯C}
→商店や事務所・小規模工場などで電気器具をお使いになるときに適しています。
6キロボルトアンペア(kVA)から49kVAの間でお使いになる電気器具の容量でご契約いただけます。
しかし、それに加え小型機器がある場合(例えば業務用冷蔵庫、旋盤、プレス機、業務用エアコンなど)は、100vでは力が無いため、200vの電圧が必要になります。
そのため、従量電灯とは別に「低圧電力」(200v)を契約するところも契約態様として多く見られます。

・定額電灯
→400ボルトアンペア(VA)以下の照明や家庭用電気機器をお使いになれます。
ご使用になる機器によって料金は毎月一定額に決まっております。

・低圧電力
→商店、工場などでモーター等の動力を使用されるお客さま向けメニューです。
商店や工場などでモーター等の動力を使用され、契約電力が原則として50kW未満の場合は、この契約にあてはまります。低圧電力は、標準電圧200V (三相3線式) で電気をお届けします。

○大規模なお客様(200v)の基本的な契約態様

電力契約は当初、「業務用電力」「高圧電力」と分けられていました。

・業務用電力
→負荷が一定でない事業体。つまり、日中人がいるので電気をよく使い、特に夏場などは日中にエアコンなどで電気の使用が多い(電気機器の負荷が増える)など朝と日中、夕方と電気の負荷が一定していない状態です。
このように電気の負荷という点から言うと「一定していない」のが業務用電力で、サービス産業、事務所、鉄道、病院、学校、役所などが対象です。

・高圧電力
→負荷が一定している事業体。つまり、日中は、工場の機械が同じ負荷で動き、そんなに負荷のばらつきがない状態です。
そのため、高圧電力は負荷が一定しているため、電気の供給面から言うと無駄がないわけです。そのため高圧電力は割安なものでした。

○電気料金選択メニュー(代表的なものだけ列挙してみます。)

(選択約款の登場)
産業が多様化してくると共に、電気の使い方も単に負荷が一定している、していないという区別だけでは対応できないケースがでてきます。
工場といっても、24時間365日のところもあるし、土日休みのところも多い。業務用電力だって、電気を使うピークが夏場とは限らないし、午前中にピークを迎えるところだってあります。
となると、特に業務用電力のお客様はその対象が広いため、ある程度、電気の使い方(負荷状況)によって契約の種類を増やしていかなければならなくなりました。
その大きな理由は、発電計画の効率化です。
電気は一度作ると貯められません。そのため産業が多様化していくと停電を起こさせるわけにもいきませんので、余裕を持った発電が求められます。
そのためには、高コスト構造や省エネルギーが叫ばれてきた時代背景の中で、電力会社としては無駄の少ない発電をして経費を抑えたい、ということから選択約款が登場したのです。

・季節別時間帯別電力
→この契約は、その言葉どおり季節によって(夏とそれ以外)時間ごとに電気料金単価が違うというものです。
電力会社によっても違いますが、1型と2型があり、概ね全国の電力会社で似たような契約の種類があります。
この契約の特長は、夏場(7月から9月)のお昼の時間帯の料金単価が高く、夜間の単価が安くなっている点です。

つまりこの契約では、昼間の電気使用状況を、夏でなくそれ以外の季節に、昼間でなく夜間に多く使うところは、かなり電気代が安くなるということです。

・休日高負荷契約(ウィークエンド契約)
→呼び名も全国違いますが、要は週末のウィークエンド料金が安い、という契約です。
料金体系は平日と休日に分かれているのみですが、ここのポイントは土曜日が休日扱いになるということと、日曜、祝祭日など国民の休日と、4~5月のゴールデンウィークの谷間4/30,5/1,5/2,年末年始の12/30.31,1/2,3なども
休日扱いとなり、この日は休日料金の適用ということになるのです。
そうすると、年間の約1/3は休日扱いとなりますので、休日営業をされる事業所、休日にたくさんの電気を使う事業所にとってはメリットがあります。

・業務用電力II型
→業務用電力と同じ季節区分(夏季と、そのほかの季節の区分のみ)で、基本料金は上がりますが電気使用料金単価が安い契約です。
基本料金が高いので、大きなビル、学校、図書館などに向いている契約です。
つまり、容量は大きいが、デマンドがそんなに上がらないが、使用量は比較的多いところなどがメリットはあります。

・低圧高負荷電力
→飲食店、商店などは、蛍光灯等について「従量電灯C」、動力機器(200v)について「低圧電力」契約を結んでいるケースが通常の契約態様となってます。
この場合、動力機器の使用電力が大きいことのほうが多数だと思いますが、まれに蛍光灯等の使用量が多いこともあります。
そういった場合にはこの「低圧高負荷電力」契約を選択することによって電気代がさがります。
(低圧電力契約の使用料金単価より従量電灯Cの使用料金単価のほうが高いからです。)

・その他いろいろ あり

 

●契約種別変更による電気代の削減

電気の使い方に合わせ、最適な契約メニューに変更することにより電気料金低減することができます。
これは電力使用契約の契約プランを、個々の事業形態から見合ったものを分析・判断し、その中から特に適切に当てはまるものを選択し改め直すことで、毎月の電気料金を削減していく方法です。

この電気料金使用契約プランについては、最初の契約の段階でご自身の会社で適切にされているとは限りません。
事業所や店舗の開店前にこの契約を選択しているのは、例えばそこの工事に関わった電気工事屋さんや、供給する側の電力会社であってもです。

従って、本当にご自身の使用形態に見合った、電気料金使用契約の種別を選んでいるのかどうかを、改めて確認する必要があると思います。

企業活動は絶えず様々な状況で変化し、それに合わせた状況で電気料金使用契約の選択も都度適正なのかどうかの判断をしていく必要があると考えます。
施設の実際の電力使用状況に合った、契約種別を選択する事が重要です!

選択するプランには、非常に多く種類があり、まずどれを選択するかが大きな問題になります。

電気料金の契約の種類としては、各地域の電力会社によっても違いますが、おおよそ20種類以上あります。そして、電力の自由化に向けてますます、契約プランが増えていくことが予想されます。

これだけ多くの電気料金使用契約種別の中で経費の削減のためにも、どれがご自身の会社に合った種別であるかを見分け、選択したうえで契約変更の各手続きを行かなければなりません。

これが、間違った種別を選択してしまいますと、最低1年間はその契約を続けなければならないケースも出てきます。

まず、適切な契約種別を選択するために、自分の事業所の電気使用状況の把握、設備等の設置状況の理解などを整理確認することから電力会社に相談し、研究してみましょう。

電力会社の約款にそったかたちで相談交渉し、適切に選択した契約を認めさえしてもらえれば、その翌月からは新たな契約での料金体系に切り替わります。

電気料金は毎月払わなければいけない経費ですので、選択の段階が1番のポイントになります。正しい選択をすることができれば、大幅な経費削減も充分可能になります。

(削減例)

(1)通常の契約「例えば業務用電力」から季節別時間帯別電力契約「業務用季節別時間帯別電力」への変更

季節別時間帯別契約は、文字通り、季節によって(夏とそれ以外)、時間ごとに電気料金単価が違うというもの。
具体的には、夏場(7月から9月)のお昼の時間帯の料金単価が高く、夜間の単価が安くなっている点が特長です。

(時間帯:東京電力の場合)
夏季昼間→夏季の午前8時から午後10時まで(但しピーク時間を除く)
夏季ピーク時間→午後1時から午後4時まで
その他季昼間→夏季以外の午前8時から午後10時まで
夜間→年間の午後10時から翌朝午前8時まで

<業務用電力の単価表>電力量料金(月/kwh)

  標準電圧  基本料金(月/kw・月)      夏季       その他季 
 6000v

 1,585円50銭

 13円60銭  12円49銭

<業務用季節別時間帯別電力の単価表> 電力量料金(月/kwh)

 標準電圧  基本料金(月/kw・月) ピーク時間  夏季昼間  その他季昼間    夜間
 6000v  1,585円50銭  17円37銭  15円90銭  14円89銭   8円39銭

東北電力のホームページより

単価表をよくご覧いただければ分かると思いますが、つまりこの契約の特長は、昼間の電気使用状況を、夏でなくそれ以外の季節に、昼間でなく夜間に多く使うところは、かなり電気代が安くなるということです。
もしくは、昼の電気使用から、夜間に移行すれば、さらに安くなるという契約です。
具体的に言いますと、循環ポンプなど夜間も稼動しているところや、水中ポンプで夜間に水をくみ上げているところ、ホテルや倉庫で、大型業務用冷蔵庫などを持っていれば、当然夜間も電気を使っていますので、この契約の対象になってきます。

さらにこの契約の特長として「年間約72日を夜間料金にしてくれる日がある」ということが挙げられます。
その日とは、日曜祝祭日、4~5月のゴールデンウィークの谷間の4/30,5/1,5/2年末年始の12/30,31,1/2,3なども休日扱いとなり、この日は一日中夜間料金の適用になります。

(2)「従量電灯C+低圧電力 契約」から「低圧高負荷電力」への変更

前述のとおり、動力の使用量より、蛍光灯などの従量電灯使用量のほうが大きい場合は、この契約変更メリットがあります。

<従量電灯C:料金単価>

基本料金  1kVAあたり・・・  273円00銭  ※ 1kVAは10Aに相当します。
電力量料金単価

最初の120kWhまで(第1段階料金)  1kWhにつき ・・・ 17円87銭

120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金)  1kWhにつき・・・  22円86銭

300kWh超過(第3段階料金)  1kWhにつき・・・  24円13銭

<低圧電力:料金単価>

(単位:1kW、1kWh)
基本料金・・・ 1,071円00銭 
電力量料金単価  夏季・・・ 13円20銭   その他季・・・  12円16銭

これに対して

<低圧高負荷電力:料金単価>

(単位:1kW、1kWh)
基本料金・・・ 1,260円00銭 
電力量料金単価  夏季・・・ 15円05銭  その他季・・・  13円84銭

これらの単価を比較していただくと明らかに従量電灯の単価が高いことに気付きます。(基本料金は安いですが)

(3)その他電気料金削減のための、主な契約種別の適正変更方法

  • 従量電灯B契約におけるブレーカー容量変更
    東京電力系電力会社におけるブレーカ容量見直しによる削減
  • 従量電灯基本料金見直し
    契約容量の見直しによる削減
  • 時間帯別電灯の選択
    従量電灯からの選択約款の採用による削減
  • 低圧電力基本料金変更
    低圧電力の契約容量見直しによる削減( I )
  • 契約主開閉器契約
    低圧電力の契約容量見直しによる削減( II )
  • 業務用・高圧電力契約における各種選択約款の採用
    選択約款の適切な選択による電気代の削減
  • 業務用→高圧への契約変更
    業務用から高圧契約への変更による削減
  • 産業用蓄熱調整契約の選択
    業務用・高圧契約にオプションを付けることによる削減

 

等があるそうです。電力会社あるいは専門会社へご相談してみてください。

 

中古でも充分(節税効果も)

内部で使用するオフィス机や書棚をはじめとした備品などは、高い新品でなくても問題ありません。

そうは言っても、お客様をお迎えするのにある程度の雰囲気とか室内の統一感を気にしたいから(中古品だとバラバラになってしまうから)やっぱり新品にせざるを得ないと考えるかもしれません。

そんな時は、オフィス用品専門のリサイクル業者であれば、メーカーと品番をFAXかメールで事前に探してもらえば、最悪在庫がなくても、かなり似ているものをそろえてくれます。

是非ご相談のうえご利用してみてください。

→所沢周辺の中古オフィス家具は 「(有)平野商店」 さんへ お問い合わせどうぞ

(節税効果)

また、中古品だと少額減価償却資産として一括損金の可能性が考えられるし、仮に減価償却資産として資産計上するにしても「中古資産の耐用年数」にて耐用年数を短くすることができるため、早めに経費として落とすことができます。

<中古耐用年数の簡易計算>

  1. 法定耐用年数が経過しているもの
    法定耐用年数×0.2
  2. 法定耐用年数の一部が経過しているもの
    (法定耐用年数ー経過年数)+(経過年数×0.2)

<注意>

ただし、仕事柄、肉体的精神的に負担がかかるものを、けちったばっかりに業務に支障をきたすようなことがあってはなりません。

例えば、飲食店における製氷機など、中古品を使ったばっかりに真夏の繁忙期にいきなり氷が出なくなった・・・とか、事務職で程度の悪い椅子を使って腰を痛めたとか、よく聞く話なのでご注意ください。